城山ブログ

ほとんどが読書録です。何か1つでもみなさまの気づきになりましたら。

『海辺のカフカ』を読んで

こんにちは。

 

読書していて面白いのは、同じ本でも、その時々の自分の置かれているコンテキスト次第で、受け取り方や刺さる部分が変わってくるところですね。
言い換えれば、その本の中で自分と重なり合う部分(≒共感する部分)っていうのは、自分が刻々と変わっている中で当然変わってきますよね、ということ。(うまく言葉に出来なく申し訳ないです。)

(その意味では、本を薦めるのって本当に難しいですよね。自分と相手の置かれている状況は当然異なるわけで、自分に刺さった部分が相手に刺さるかは相手のコンテキスト次第。)

というわけで、今の自分の心に刻まれたいくつかの言葉、登場人物のセリフを以下に記しておこうと思います。

「想像力の足りない人をいちいち真剣に相手にしていたら、身体がいくつあっても足りない、ということ?」(カフカ)

今から百年後には、ここにいる人々はおそらくみんな(僕をもふくめて)地上から消えて、塵か灰になってしまっているはずだ。そう考えると不思議な気持ちになる。そこにあるすべてのものごとがはかない幻みたいに見えてくる。風に吹かれて今にも飛び散ってしまいそうに見える。僕は自分の両手を広げてじっと見つめる。僕はいったいなんのためにあくせくとこんなことをしているのだろう? どうしてこんなに必死に生きていかなくてはならないんだろう?

「目を閉じちゃいけない」とジョニー・ウォーカーはきっぱりとした声で言った。「それも決まりなんだ。目を閉じちゃいけない。目を閉じても、ものごとはちっとも良くならない。目を閉じて何かが消えるわけじゃないんだ。それどころか、次に目を開けたときにはものごとはもっと悪くなっている。私たちはそういう世界に住んでいるんだよ、ナカタさん。しっかりと目を開けるんだ。目を閉じるのは弱虫のやることだ。現実から目をそらすのは卑怯もののやることだ。君が目を閉じ、耳をふさいでいるあいだにも時は刻まれているんだ。コツコツコツと」(ジョニー・ウォーカー)

それでは、みなさまよい1日を。